一般住宅に使われているアスベストというのは、レベル3に該当し、比較的安全に処理できるアスベストになります。
今回は、石綿含有建材調査者の僕が、
リフォームした時によく見かけるアスベストについてお話していこうと思います。

この記事をお読み頂ければ、一般住宅のどこにアスベストが使われているか分るようになります。
- アスベストって良く聞くけど、何が悪いのかわからない
- 見分けるためのコツを知りたい
- アスベストの安全な処理方法を知りたい
こんな方達に向けて、簡単にわかりやすくアスベストについて、解説していきます。
是非最後までご覧下さい。
リフォーム業界10年以上、現役リフォーム営業、現場管理
所持資格:二級建築士、二級建築施工管理技士、石綿含有建材調査者、エコ検定合格
33歳の時に、無資格で大手リフォーム会社に転職成功
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アスベストとは?

アスベストとは、自然界に存在するけい酸塩化鉱物のうち繊維状を呈している物質の一部の総称を言います。
つまり、自然由来の鉱物で石が繊維状になっている物質の事
石綿は色々な用途にあわせて、さまざまな建材に使われてきました。
石綿含有建材は解体時における飛散性の高低から【レベル1~3】に分類されています。
レベル1は飛散性が一番高く、レベル3は飛散性が一番低い物になります。

一般住宅で使われているアスベストは全てレベル3になります
アスベストが様々な建材に使われてきたのは理由があります。
アスベストの特性は次の通りです。
- 木綿や羊毛に匹敵するほど、しなやかで糸や布に織れる
- 引張強度が強い
- 摩擦、摩耗に強い
- 燃えないで高熱に耐える
- 熱や音を遮断する
- 薬品に強い
- 電気を通しにくい
- 細菌、湿気に強い
- 他の物質との密着性に優れている
- 安価である
このように、安価にして最強な特性を持つ建材だったので、
幅広く使われてきたという訳です。
人体に影響がある、、と解るまでは、、
人体への影響は?

石綿を吸い込む事で人体へ悪影響を及ぼします。
石綿は吸い込むと体内で分解する事が出来ないため、永遠に身体の中に残り続けて蓄積していきます。それにより様々な病気や最悪の場合死亡のリスクまであります。
石綿を吸引して生じる疾患としては、石綿肺、肺がん、中皮腫、その他胸膜疾患がある。
このように、肺を中心に人体に蓄積された石綿は身体に悪影響をもたらします。
建設業のばく露は主に3種類です。
- 新築時の吹付け、切断、加工などによるもの
- 建築物維持管理・補修時の吹付け石綿及び飛散しやすい建材
- 建築物改築及び解体時の石綿含有建材によるもの
石綿のやっかいなところは、繊維が小さく吸い込んだ事に気がつかない事です。
建築物のどんな部分に使われてきたかを知り、
その建築物を避けることによって石綿のばく露を防ぐ事ができます。
石綿被害の事例
ここでは、実際にどんな被害があってどんな事例で人が亡くなっているのかをみていきます。
建設業では、2005年(平成17)6月月に石綿製品の製造工場(水道管)の従業員が肺がんや中皮腫で死亡した。
また、近隣住民や従業員の家族にまで中皮腫を発症し、死亡していた事が判明した。
これを契機として労災認定請求者数が急増した。
近隣住民や家族にまで影響があり、飛散性の高さや危険性が公になった事件です。
2004年(平成16)吹付け石綿のある建築物の店舗での勤務が原因で発症、死亡した事例
1969年(昭和44)~2002年(平成14)にかけて、私鉄駅高架下にある文具店で店長として勤務した。
文具店は1階で2階が倉庫になっており、その倉庫の壁に吹付け石綿が使われていた。
店長は、8時に文具店を開け、21時に帰宅するが、1日4~5回、商品を置きに2階に上がり、1日30回、1分程度は倉庫の商品を取りに行き、月1~2階程度、和ぼうきで20~30分倉庫の清掃を行い、年1回2~3時間倉庫の大掃除を30年間行ってきた。
石綿が使われている建築物に勤めていただけで被害を受けてしまった事例です。

このように、石綿の繊維は小さいため、人体に入っても分りにくく、
分解されずに蓄積された体内の石綿により、健康被害を受け死亡するという事例が頻発しました。
一般住宅に使われているアスベスト

主に飛散性、危険性の高い石綿は、製造工場や吹付け石綿である事は、分ったと思います。
しかし、一般住宅に置いても、石綿はたくさん使われており、
その取り扱いには注意が必要です。
ここでは、これからリフォームや解体時に発生するアスベスト含有建材について解説していきます。
屋根材

一般の戸建住宅で一番石綿が使われている場所は屋根でしょう。
セメントに石綿を混ぜ込み強度を増した屋根材が使われていました。
1961年(昭和36)~2004年(平成16)までの長い期間で製造されており、取り扱いには十分注意が必要です。

コロニアル屋根材をパキッと割るとグレーの繊維状に割れる場合は、アスベストの可能性が高いです。
一番確実なのは、製造メーカーを特定し確認すること、当時の記録が無かったり、特定が難しい場合は、
製造年からも、含有の可能性を割出す事ができます。

アスベストの処分費用は高額です。リフォームする際は早めに含有の有無が分れば一番良いですね。

また、防水シート(ルーフィング)にも石綿が含有されている事があります。
こちらは、目視で発見するのは極めて困難です。

アスベストが使われた屋根材の上からカバー工法でカバーをしてリフォームする方法もあります。
石綿処分費用を考えると、葺き替えるよりも安価で合理的なので、カバー工法は人気があります。
壁材

石綿は窯業系サイディングボードや金属系サイディングボードにも含まれています。

防・耐火性能が高い、耐震性、耐久性が高く壁内通気もとりやすい為、外壁にも多く使われてきました。

金属系上張り用サイディングボードにも一部アスベストは使われています。
昔流行った【ぱっとさいでりあ】なんかがそうですね。


外壁塗装などの塗料にも昔は含有されていたようです。耐候性にも優れている石綿は本当に色々なところに使われてきました。
ユニットバスのパネル

ユニットバスのパネルの裏打ちにもアスベストは多く使われています。
これもまた、目視にて判断が難しい箇所です。
断熱材として裏打ちされているケースが多いです。
タイル調のパネルである
磁石が反応しない
製造年から判断する
目視の判断が難しいので、僕はこうやって判断しています。
タイル仕上げの昔のユニットバスはほぼ確定でアスベストが含まれており、

磁石が反応しないパネルもアスベストである可能性が高いです。
この二つでほぼ判断できますが、一番確実なのは、製造メーカーに確認する事です。
ユニットバスは、
当時の説明書や品番が残っているケースが多いので、メーカーさんに確認する方法が一番確実です。
キッチンの不燃材

台所まわりにも、アスベストが使われている可能性は極めて高いです。
不燃材認定があるアスベスト建材は台所にも多く使われてきました。
- 火元まわりのパネル
- キッチンパネル
- レンジフードの断熱被覆
- 厨房の天井や壁
さらに、台所周りには、【けい酸カルシウム1種】の含有率の高い建材が使われているのが特徴で、
少量であっても取り扱いには十分注意が必要です。
断熱被覆や接着剤等多くの建材に使われている
本当に至る所に使われている最強建材アスベスト。
その他、こんな所にも使われていますよ!という部分を解説します。

昔ながらの床シートの接着剤として使われています。
剥がしたときに、扇状で接着剤の痕が残る物はアスベスト含有の可能性が高いです。
その他にも
- 内装に使うスレートボード
- 石膏ボード
- ロックウール吸音天井板
- 内装材のパーライト板
- 不燃材の壁紙
- 耐火間仕切り(けい酸カルシウム1種)
- ビニル床タイル
- ビニル床シート
- 外装材の押出成形セメント板
- スレート波板(工場)
- 煙突材
- セメント水道管

このように、今まで使われてきた石綿建材はすごくたくさんあります。
これらの建材は処分や処理をするときは要注意というわけです。
アスベストを見分ける方法
あまりにもたくさんの部分に使われているので、何が何だかわからない!
って方がほとんどだと思います。
そこで、リフォーム歴10年の僕が石綿を見ただけで判断できる方法を解説していきます。
完全に個人的な経験値に基づいたものなので、あくまでも参考程度に
石綿判断のコツは、色と形状です。
まず色がグレーっぽいものはアスベストの可能性が高いです。
かつ、割ったり粉砕したときに、繊維がほどける方向が縦方向の線状に砕けるとほぼアスベストです。
グレー色、線状
これがアスベストを見分けるコツです。グレーは濃ければ濃いほどアスベストの含有率は高いです。
まとめ
如何でしたでしょうか。

アスベストがどれほど優れた建築材料で、人体に影響があり、たくさん使われてきた過去を解説してきました。
一般の住宅にもたくさん使われており、
アスベストが使われてきた建築物はこれから、解体・改修のピークを迎えようとしています。
それに伴い、アスベストによる健康被害のリスクも付きまといます。
アスベストがどんなところに使われているか。
適切な処理方法など
知識をつける事によって健康被害を減らす事ができます。
参考にして頂ければ幸いです。
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最後までお読み頂きありがとうございました!それではまた~。