戸建住宅をお持ちの方で、築年数が15年を過ぎてきたあたりから、屋根、外壁のメンテナンスについて考える不安は年々増してくると思います。

まだ、住宅ローンも残っているのに、そんな余裕うちにはないわよ!

屋根なんて、雨漏りするまでほっときゃ良いんだよ!
このように、屋根や外壁のリフォームの必要性をそもそもあまり感じていない人も結構おられます。
しかし、住宅を守り、雨風を直接耐えてくれるのは、外壁や屋根です。
屋根や壁の痛みから目を背けていると、
それこそ、病気を放置した人間のように、寿命は極端に短くなります。
今、屋根リフォームで人気のガルバリウム鋼板を使ったカバー工法を
実際に施工した現場を写真付きで解説していきます。

この記事で少しでも、屋根に対する知識を学んで頂ければ嬉しく思います。
屋根カバー工法のイメージや知識をつけたい
屋根リフォームで必要な知識をつけたい
屋根リフォームの必要性を知りたい
もっと安価に屋根を守る方法を知りたい

僕はそれこそ、屋根、外壁の専門リフォーム会社で年間30件以上ものお客様と出会い、工事をしてきた経験があります。
リフォーム業界で10年以上、現役リフォーム営業マン、施工管理も一貫して行う
その内、3年間は、外壁、屋根リフォーム専門の訪問販売を経験
年間約30件以上の屋根工事に携わる
所持資格:二級建築士、二級建築施工管理技士、石綿管理主任者
33歳の時に、大手リフォーム会社に転職成功
この道10年で培った屋根についての知識を簡潔に分りやすく解説していきますので、
参考にして頂けると嬉しいです。
そもそも必要?屋根のリフォーム

町を歩いてると、外壁や屋根のメンテナンスを全くしてないお家たくさんあるけど、やる必要あるの?
そもそもの必要性が分っていないと、屋根壁のリフォームって高額なので、一歩踏み出せない方もいらっしゃると思います。
ハッキリ言うと必要がない方もいます。次のような人はする必要がありません。
- 10年以上継続して住む可能性が低い
- 売る事を考えている
- ダメになったら建替えをするつもり
以上の方は今の建築物のメンテナンスにお金をかける必要はありません。

逆に、こんな方は後悔する前に絶対にやっておくべきです。
- 終の棲家として、今の自宅を選んだ
- 新築から35年以上は住む予定
つまり、長く住まなくてはいけない状況の場合は、
築15年を目安に、早めにリフォームした方が良いです。
まだ綺麗なうちであれば、補修などの余計な費用もかからないのでリフォームする事が可能です。

これは、今回工事をさせて頂いたお宅の屋根です。
新築時から20年放置でこの状況です。
バキバキに割れてます。
屋根材自体に防水性能は無いので、雨漏りはありませんでしたが、
20年放置した屋根はこうなります。
20年放置しただけで、この痛み方は異常です。こうなると塗装じゃ処理しきれないのは見ればわかると思います。

20年でこうなってしまうのは安価で耐久性の低い屋根材を使ったからです。
外壁や屋根のリフォームは美観性も向上します。
雨漏りや、お家を守る為だけではありません。
長年放置しておくとこのように、修復自体が不可能になる事も。

お手入れの行き届いたお家は確実に長持ちするし、築30年くらいでも築15年くらいに見えるお家もあります。
日頃のメンテナンスは、お家を長持ちさせる上で必ず必要です。
屋根カバー工法の施工手順
今回工事をしたのは、築50年の御住宅。
住友不動産の新築そっくりさんで20年前に柱だけを残して、フルリフォームをした物件の工事です。

バキバキに割れた屋根。これじゃ塗装してもすぐダメになってしまうので、カバー工法を提案させて頂きました。
もっと状態が良いと塗装も選択肢に入ります。

棟板金は丁寧にビス留めしています。
屋根平面にビス打ちする時は、防水処理がかならず必要ですが、防水処理をした形跡はなしです。
この留め方は良いんでしょうか?
高圧洗浄

外壁塗装も行う為、高圧洗浄を行いました。
高圧洗浄をかけると屋根の塗装がポロポロ剥がれてきます。
紫外線による長年の劣化の影響です。

コケの付着が多い場合は、丁寧に落としていきます。
高圧洗浄をかければ、ほぼ全てのコケを落とす事ができます。
屋根のコケは毛細管現象を起こすので厄介です。
細い管状物体(毛細管)の内側の液体が、外部からエネルギーを与えられることなく管の中を移動する物理現象である。 毛管現象とも呼ばれる。 地球上での重力に逆らえるほど上昇(場合によっては下降)することもある。 主に静電気力が影響している。
ストローを飲み物に付けると、吸ってないのに飲み物が上がってくる現象です。

下地処理は、高圧洗浄までする必要は特にありません。簡単な清掃で済ませる場合もあります。
外壁塗装も一緒にやる場合は屋根も洗浄します。
アスファルトルーフィング敷き(防水紙)
下地処理が終わったら、ルーフィングという防水シートを敷き込みます。

資材の搬入搬出は、こちらの昇降機で上げ下げします。

下から順に、しっかり重ねて敷き込みます。
この防水シートが雨から、お家を守る超重要な役割をします。

このように、防水シートの上から釘で屋根に固定していくのですが、
釘が貫通していても、雨が入らないのは、このアスファルトルーフィング(防水シート)の一部が、
太陽熱により溶けて穴を勝手に塞いでくれるという仕組みです。

防水紙を敷き込んだ次の日は雨;;
乾燥が確認できるまで工事は、空けです><
水分が残ったまま、施工してしまうと内部結露など施工不良の原因となります。

今回施工するのは、稲垣商事のヒランビーのシルバーメタリック色です。ガルバリウム鋼板の中でも安価なタイプです。
銀色に輝くメタリック色は無機質な高級感がでて綺麗です。
屋根材仕上げ

ガルバリウム鋼板を現場カットしてどんどん下から組立てていきます。
ヒランビーの良さは、施工性の良さにあります。
ガルバリウム鋼板という耐久性の強い金属で出来ていて、カットもしやすく取り回しも良い。
いつも僕の工事を担当してくれる職人さんは、ヒランビーなら丸い形も綺麗に仕上げられると言っていました。
高い技術ももちろん必要ですが、施工性がめちゃくちゃ良いのがこのヒランビーです。

太陽光があたると、シルバーメタリック色が映えます。
なんとも言えない無機質な感じがカッコいいです。

だんだん完成に近づいてきました。
屋根の工事は晴れ間が続いて、職人さんの人数や屋根の大きさにもよりますが、
だいたい1週間半で終わります。
棟板金、最終仕上げ

屋根のてっぺん(棟)にカバーをかぶせて固定します。
屋根で雨漏りの原因となるのは、実は棟がほとんどです。
丁寧に処理して、完成となります。

綺麗に仕上がりました。
ビフォーアフター
完成です。細かいところまでチェックして終了です。
ガルバリウム鋼板は金属なので、大きな傷があるとそこから錆が発生します。
施工時の傷は施工不良です。傷がないかをチェックします。
傷を発見したら問答無用でやり直しです。
まぁ職人さんもそれが分っているので、慎重にやってくれています。
どうしても張替え出来ない場所で発見した場合は、錆び止め塗装処理をします。

綺麗に仕上がりました。
もっと安価に屋根をリフォームする方法

建築資材も年々値上がりしています。ガルバリウム鋼板自体の金額が高いので、見積り金額を見て驚く方が多いです。
ガルバリウム鋼板で屋根をカバー工法する場合の金額の目安は、150~250万円です。
屋根の大きさや、商品によって大きく左右されますが、それくらいの予算は必要になってきます。

住宅ローンもあるのにそんなお金どこにも無いぞ!
という方がほとんどだと思いますので、もっと安価に屋根リフォームを行う方法を簡単に紹介します。
結論から言うと次の3つになります。
- 屋根塗装
- 屋根材を安価な商品に変更する
- アスファルトシングル屋根材
順番に解説していきます。
屋根塗装

屋根塗装ならば、費用は格段に安く抑えられます。
塗装をすれば、屋根材の劣化を遅らせる事ができます。
屋根塗装のメリット、デメリットは次の通り
屋根塗装のメリット | 屋根塗装のデメリット |
価格が安い 外壁塗装と同じ周期でメンテナンスができる 屋根材を長持ちさせられる | 雨漏りを止める効果なし 塗装ができるのはだいたい3回まで 30年以上住む場合はカバー工法の方がお得になる事も |
屋根塗装のデメリットには、約3回の回数制限があります。
この理由は、
塗装する素材自体に寿命が存在する事です。
10年以上リフォームをやっていてかなりの数の外装工事をやってきましたが、塗装回数は限界で3回まで、4回目以降は葺き替えとなり、塗装処理をした事がありません。
つまり、40年以上屋根材は保たないという事です。(瓦は除く)
屋根材を安価な商品に変更する
また、屋根材自体を安価な商品にするというのも方法のひとつです。
屋根材を選ぶのって業者さんに任せていると思いますが、その屋根材本当に適正なものでしょうか?
中には、断熱材と一体になっていたり、高価な屋根材も存在します。
僕も何度かやったことがありますが、【ニチハの横暖ルーフシリーズ】の価格は高いです。


ぶっちゃけ、ガルバリウム鋼板でカバー工法であればそれほど高い屋根材を使う意味ってそんなに無いと感じます。
断熱材敷き込みタイプも、ほとんどのお客様が遮熱断熱効果を体感出来ていません。
それ以降、横暖ルーフの断熱材入りを提案するのは止めました。
今回施工したヒランビーは同じガルバリウム鋼板の中でも安価な商品になるので、オススメです。
アスファルトシングル屋根材
「アスファルトシングル」という屋根材を使う事で【安くカバー工法で工事が可能】です。
ガルバリウム鋼板ほど金額が高くないことが大きなメリットとなります。

しかも、屋根材の中で一番軽く、僕自身もよく採用しているオークリッジスーパーの品質保証はなんと40年

耐久性も良くて、安いなら、もう屋根リフォームなんてこれで良いじゃん。
そう思うかもしれませんが、安いは安いなりの理由があります。
アスファルトシングルのデメリット次の通りです。
- 表面の化粧砂がパラパラ落ちてくる
- 見た目が派手
- 年数経過で剥がれてくる
- コケが生えやすい
- 取り扱い国内の取り扱い業者が少ない

オークリッジの品質保証40年といっても、最初は100%保証で、年数経過によりどんどん保証金額は下がっていきます。40年と謳っていますが当てにしない方が良さそうです。
アスファルトシングル屋根を採用する場合は、まず取り扱いがあるかどうかと、
デメリットをきちんと把握した上で、施工するようにしましょう。

アスファルトシングルは表面の材質上コケが生えやすいです。既存屋根のコケの状態をみて
少しでも、生えた形跡があればやめた方が良いと思います。
また、アスファルトシングルの取り扱い業者も年々増えてきている傾向にあります。
屋根専門店なら、まず取り扱いはあるはずです。
まとめ
如何でしたでしょうか。
屋根工事といってもその方法はたくさんあります。
今回は今もっとも多い屋根リフォーム方法、ガルバリウム鋼板によるカバー工法を紹介しました。
また、住宅リフォームは、ネットから優良リフォーム会社紹介サイトを経由する事で、
同じ内容でも通常よりも安く工事する事が可能です。
リフォームご検討中の方は、多少面倒でも、紹介サイトを経由してみて下さい。
かならず見積金額は安くなります。
最後までお読み頂きありがとうございました!それではまた~。